|
タイトル名
|
メーカー、ブランド名
|
総プレイ時間
|
恋する少女と想いのキセキ
〜Poupee de souhaits〜
|
Sugar pot
|
15 〜 20 時間前後
|
|
シナリオ
|
グラフィック
|
音楽
|
キャラクター
|
総合点数
|
個人的評価
|
|
Ｂ（22/30）
|
Ｂ（14/20）
|
Ａ （16/20）
|
Ｂ（22/30）
|
Ｂ（74）
|
Ｂ
|
総評
このゲームの主人公はフィギュア原型師でカスタムドール制作も
しています。そしてヒロインにも人形がいます。言葉を濁さずに
言えば人形を人間と同じように愛してＨまでする事をプレイする
人が どう感じるか これが一つの壁になると思います。ゲーム内
での、主人公や周りの人達の人形に対する気持ちや雰囲気などは
ゲーム内でオープニングが流れるまで感じられますから、それが
合わない場合は少々苦痛に感じるかも知れません。このゲームの
最終的な評価はトワの個別ルートを 許容出来るか で決まると
個人的には思っています。グラフィックなどからは想像しにくい
かも知れませんが、結構人を選ぶゲームですので体験版の方の
プレイしてから自分に合っているかを確認しておいた方が良いと
思います。
あらすじとプレイについて
簡単に書くと 幼い頃。「生きた」人形とそれに寄り添っていた
女性。そんなおぼろげな記憶の影響で、学生ながらも一応プロの
原型師として活動していた主人公の元に「生きて」いる人形少女の
トワが現れる。それは主人公が初めて世に送り出したフィギュア
「プリンセス・トワ」とそっくりだった。もう一体の人形少女の
エナの一言によって主人公はかつて「生きた」人形に寄り添って
いた女性。彼女の後継者になる事を決意する。果てして彼に待ち
受ける運命とは（半分以上公式サイトより抜粋）と言った感じです。
総プレイ時間は 15 〜 20 時間です。 1 章と 2 章が共通ルートで
3 章が個別ルートですが、3 章の冒頭部分は全ルートで同じです。
各ヒロイン事に完全に分かれるまでのプレイ時間は 2 時間半前後で
そこから 1 時間半前後が個別ルートです。それとは別にハーレム
ルートとでも表現するものがあります。こちらはＨシーンを除けば
およそ 15 分ぐらいの短いものですが。攻略順は個別ルートの方は
美朋→天音→エナ→トワ がオススメみたいです。私もこの順番で
プレイしましたが、特に大きな問題はなかったので、この順番を
オススメします。そしてこの後にハーレムルートのような物を
プレイすればいいのではないかと。
シナリオ
共通ルートは 多少のシリアスはあるものの、基本的には人形が
好きな主人公と周りの人達とのドタバタ劇とでも言えばいいのでは
ないかなと思います。個別ルートは 格差はありますが、シリアスの
度合いは共通ルートよりは多く、人形とそれに関わる人と考え方や
関係性などを中心に描写しています。
総評でも少し書きましたが、結局の所。このゲームのシナリオの
評価はトワの個別ルートをどう評価するかで変わると思います。
身も蓋もない言い方なら「自分が作ったフィギュアで自慰行為を
出来るか」と問うているような物ですからね。エナの場合も同じ
ようなものですが、トワの個別ルートほどには極まっていないと
私は感じました。そもそもトワの個別ルートは一種の異常な純愛の
行きついた形の一つですからね。ただ、日和らずにそれを最後は
貫いた所とエンディング後でも日和らずに傍から見れば気持ち悪い
ものを継続し続けて終わらせたので、好き嫌いはともかくとして
シナリオの完成度としては高いと思います。美朋の個別ルートでは
逆に極まらなかった分、傍から見れば幸せな生活を送っていると
言えるのではないでしょうか？ただ、シナリオの完成度としては
比べるまでもなくトワの個別ルートより低いですが。ただ、結局
どういった人生が幸せかなんて周りの人間が決めるものではない
ですからね。美朋の個別ルートでもトワの個別ルートでも主人公は
とても幸せそうでしたし、これはこれでいいのではないかと私は
思います。その辺りの感じ方が、シナリオの評価に繋がるのでは
ないかなと。天音やエナの個別ルートは及第点ぐらいですかね、
前者は後半は珠璃に持っていかれて、そのままＥＤ後までそれが
継続しましたけど、天音と珠璃の関係性と決断。この辺りの描写は
中々よかったです。しかしどうも天音と言うヒロインに恋愛的な
意味で好感を持てなかったために、個人的にはそこまで好きでは
ないんですが。後者は、あの一枚絵前後の状況の変化の描写が
上手かったのが印象的です。この辺りのエナの表現はＣＶの凄さを
実感しました。シナリオ上では様々な役目を担う彼女ですが、その
可愛さを最後まで維持し続けたのは間違いなくこのＣＶの凄さが
一翼を担ったはずです。少しキャラクターの話になってきたので
シナリオの話に戻しますが、トワの個別ルートの極まったお話。
いきなりコレに至るのではなくて、美朋→天音→エナ と順番に
個別ルートを進める事によって異常とも言えるトワの個別ルート
への慣らしを済ませてトワの個別ルートをプレイして極まった物を
プレイして楽しむのが制作サイドの考えだったのではないかと
全個別ルートをプレイし終わった後、このレビューを書いている
時に思いました。実際の所は分かりませんが。
グラフィック
一枚絵の方は悪くはないですし、ＳＤ絵のクオリティーも高かったと
思いますが、立ち絵でのバリエーションの些細な変化や場面での
不釣り合いさが少し気になりましたので、この評価にしています。
一枚絵に関しては、トワの個別ルートのラストとエナのベールを
被った一枚絵が好きです。ある意味で両者とも幸せの証明と言える
一枚絵なのではないでしょうか？
音楽
ＢＧＭは数こそ多くないですが、日常。危機感。ドタバタ。と言った
具合に必要な物は揃っています。私は 旅立ち と人形遣い が特に
好きですね。前者のタイトルも含めて流す場面の選択がこれまた上手
なんです。私は最初にプレイした美朋の個別ルート終盤で流れた所が
印象に残っています。一方でオープニングの方は曲も良いんですが
映像も好きです。特にサビの部分の「あなたひとりのためにだけ」の
辺りでのエナの涙は本編プレイ後に見ると心に来ますね。そして
エンディング曲は穏やかな感じですが、サビまでの歌詞はトワの個別
ルートをプレイした後に聞くと凄まじいものでした。オープニングと
エンディング。どちらも良く、ＢＧＭのクオリティーも高かったので
この評価にしました、あえて言えばもう一曲、挿入歌のような物でも
あれば、更に上の評価も出来たんですけどね。
キャラクター
このゲームで一番好きなヒロインを聞かれると返答に悩みます。まず
天音は 1 人のキャラクターとして見れば、シナリオ上必要でしたし
好意も持っています。しかし、恋愛的な意味では好きになれなかった
ですね。と言うか未だに主人公が天音に惚れた理由に共感出来ません。
トワやエナについては人形が駄目と言う事ではないです。ただ、私は
エナは恋人と言うよりも娘的な気持ちの方が強いですし、トワは…
何と言うかどこまで行っても恋人。あるいは伴侶的な関係を超越した
結びつきを主人公と持っていますので 、そう言うのとは違う気が
するんですよね。無論キャラクターとしては好きですけど。そんな
訳で個人的には美朋を推したいですね。個別ルートで一番、恋愛的な
意味でしっくり来たと言う事もありますけどね。サブキャラクターに
ついては珠璃がぶっちぎった感があります。実際、天音の個別ルート
ラストでは美味しい所を持っていきましたからね。ある意味で反則と
言ってもいいでしょう。最後に主人公についてですが、美朋の個別
ルートではやや思慮が欠けていましたし、他の個別ルートで、人の
心の機敏に疎い所はある上、変なところで意固地になったりする
所もありますけど、基本的にはお人よしで、優しく各ヒロイン達に
寄り添えるので、全体を見れば悪くはなかったと思います。
Ｈシーン
回想シーンに、トワが 5 つ。エナと天音と美朋が 4 つ。そして
それ以外に 3 P を含め 5 つ収録されています。その内、珠璃は
2 つあるので、優遇されていると言っても過言ではないでしょう。
フ○ラやパイズリも完備していますけど個人的に気になったのは
エナの回想 4 つ目です。ここでは、それまでのエナとは違うように
描写する必要がある訳ですが、これを上手く表現しながらもエロく
仕上げたのは素直に凄いと思います。ロリコンじゃない （本当です）
私も、このエナのシーンは良かったと思います。
最後に一言
傍から見れば人形だろうとエロゲだろうと同じです。
このレビューに関することはこちらのweb拍手からどうぞ。
|