タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
Clover Day's   ALcot   15 〜 20 時間前後  
                                       
シナリオ    グラフィック   音楽    キャラクター   総合点数    個人的評価  
B(22/30)    A+(17/20)   (16/20)   (24/30)   B+(79)     
 
初めに(前書き)

今回は Clover Day's のレビューなのですが、このゲームは
Clover Heart’s の続編です。私はそちらをプレイしていない
状態で H シーンが追加されるアペンドも入れていない状態での
評価となっている事をご了承下さい。

総評

音楽…というよりはオープニング曲が良いですが、レベルの高い
グラフィックと 素晴らしい 演出は高く評価しています。
キャラクターの方も一部引っかかった部分もありますけど
基本的には高評価です。しかし、シナリオの部分に不満が
いくつかありまして、その一つが冒頭に書いた 整合性
部分です。このゲームはある意味で杏鈴の個別ルートが 異質
言えます。その部分の良い悪いは人によって判断が分かれ
ますが、その展開にしたいなら他の個別ルートでの伏線の
貼り方が薄いです。そこをキチンとしていれば杏鈴の個別
ルートの評価がもっと高くなるはずです。それだけでなく
他にも言いたい事はありますが、そちらはシナリオの方で
詳しく書きます。まとめとしてはシナリオの整合性がとれて
いれば 名作 も狙えたゲームだったといった所ですかね。

あらすじとプレイについて

簡単に書くと 親に捨てられ、外国の養護施設で育てられた
主人公がとある人物の養子となり、日本へやってきたものの
日本語がろくに喋れず上手く馴染めていなかった。そんな彼に
双子の義妹や一部のクラスメイトの親身な支えがありそれなりに
楽しく暮らせるようになっていた。そして日本にきて 10 年。
かつて一緒だったものの海外へ引っ越したクラスメイトとの
再会をきっかけに彼らの関係は少しずつ変化していく…(一部
公式サイトより抜粋)
 
総プレイ時間は 15 〜 20 時間です。共通ルートが 1 時間半
前後で、細かく言えば最初のオープニング曲が流れるまでが
30 分ぐらいで、その後に 1 時間ぐらいで各ヒロイン達の
個別ルートに入る前のとある演出まで行くはずです。個別
ルートは 2 時間前後です。杏鈴の個別ルートは若干それより
長いかも知れませんが。攻略順については杏鈴の個別ルートを
一番最後 にしてください。後はそこまで気にしなくても
大丈夫ですが、個人的にはヒカルやヘキルの個別ルートよりも
先に泉の個別ルートをプレイしておいた方がいいかなぁ?と
思うぐらいですね。その辺りも踏まえると 泉→つばめ で
ヒカルとヘキルの個別ルートをプレイした後で 杏璃→杏鈴
の流れをおススメとしておきますが、杏鈴を一番最後にして
いれば、後は多少違っても大丈夫です。

シナリオ

共通ルートでは 最初は主人公が過去にどのように日本に
馴染んでいったかを中心に描写して、久しぶりに戻ってきた
幼なじみと再会する所で最初のオープニング曲が流れます。
その後は久しぶりに戻ってきた幼なじみを含めてもう一度
昔のような関係になるために奔走するシーンを中心に描写
しています。個別ルートでは過去の選択と些細なきっかけで
主人公がヒロインを意識し始めて様々な過程を経て恋人と
なり、その後に起こる様々な騒動に立ち向かっていく所を
中心に描写しています。
 
総評では結構不満があるように書きましたけど、シナリオの
整合性がとれていれば、杏鈴の個別ルートの完成度の高さで
ごり押し出来るだけのポテンシャルはあったと思っています。
良くも悪くもシナリオは割と王道的で、私の予想を大きく
上回る展開を見せたのは泉と杏鈴の個別ルートだけです。
その 2 人の個別ルートも恋人関係になる辺りまではそこまで
予想から外れた展開ではなかったです。さて、次に不満点に
ついて書いていきます。まずは各ヒロイン達の心情描写や
主人公の言動が個別ルートによって差が ありすぎる 所です。
例えば泉や杏璃の個別ルートでは主人公が暴力を簡単に使用
して物事の解決を図ろうとしたシーンがいくつかありましたが
共通ルートやそれ以外の個別ルートでは暴力を使わないように
出来る限りスマートに物事を解決していました。また、つばめの
個別ルートでは泉の心情を描写するシーンが少なかったですが
反対に泉のシーンではつばめの心情描写は結構多かったです。
多分この辺りは複数のライターでの細かい設定共有がされて
いない事が原因でしょうね。そしてこれで一番割りを食った
のは主人公です。元々このゲームの主人公の魅力は優しさが
第一でそれ以外の描写が各個別ルートによってブレるので
魅力的にプレイヤーが感じにくいんですよね。そうなると
「主人公がやたらヒロイン達にやたらモテているけどそんなに
魅力的かな?」と感じてしまう訳です。これはキャラクターの
部分でもマイナス要素ですが、シナリオ上でも問題になると
個人的には思っています。そして各個別ルートでの後半部分
での問題解決とそれに至るまでの過程も少しご都合主義感が
強すぎないか?と思っています。特に泉と杏璃の個別ルートは
その部分が人によっては許容出来ない人もいそうですね。
この辺りは ネタバレ になるので詳しくは書けませんがこれで
本当に問題が解決しているの?と首を傾げた場面があります。
それ以外にも細かい不満はありますが、大きい所はこれぐらい
ですね。個人的にはシナリオの展開上、好き嫌いが分かれそうな
ヒカルとヘキルの個別ルートとつばめの個別ルートは恋愛描写が
中心に最後まで描写されていたので、じっくりと読めましたね。
つばめの葛藤や苦悩を交えながら泉との関係性に恋愛描写を
重ねたシナリオはインパクトこそ弱いかも知れませんが十分
面白かったですし、ヒカルとヘキルの双子の関係性。コインの
表と裏のような 2 人だからこそ描写出来る恋愛関係だったと
思いますが、まあ、再度書きますが好き嫌いは分かれそうな
展開でしたね。私は割と許容出来ますが。そして問題の杏鈴の
個別ルートです「家族」というテーマをキレイにまとめながら
描写したこの個別ルートは高い完成度ではあったと思います。
しかしながら「家族」の部分の描写に力を入れすぎて後半は
杏鈴や主人公の恋愛描写が少しおろそかになっていた部分が
あります。多くの人はこの個別ルートの出来を褒めると思い
ますが、恋愛描写に限ればヒカルとヘキルやつばめの個別
ルートの方が上手だと思っていますね。

グラフィック

多少違和感があるヒロインもいますが、双子の義妹である
杏璃と杏鈴の一枚絵のクオリティーは高いです。普通なら
これだけではせいぜい B+ の評価ですが、このゲームは
最初のオープニング曲のサビ前に入る各ヒロイン達のセリフが
まあ、良いんです。そしてそれだけでなく、各個別ルートに
入る直前のヒロインの独白とでもいうべき心情描写に加えて
とある演出が入るんですが、これが 素晴らしい です。詳しい
内容を ネタバレ したくないので、ここでは書きませんが
本当に良かったです。その評価をグラフィックに上乗せした
ので評価が高くなっています。次に個人的に好きな一枚絵に
ついてですが、まあやっぱり杏鈴の個別ルートのラストで表示
される一枚絵ですかね。とは言えあれはある意味 反則 なので
それ以外だと主人公が杏璃をおんぶしている一枚絵ですね。
あれはそのシーンも良かったんですが、セーブやロード画面で
表示される「遠い背中」という言葉がとてもしっくり来ます。

音楽

まあ、オープニング曲の Clover Day's は素晴らしいですし
それと双璧を成す Clover Heart's -New days recording- も
とても良かったです。どちらもヒロインのセリフがゲームを
プレイした人にはとても刺さると思います。その 2 曲と比較
すれば流石に劣りますがエンディング曲の しあわせがたり
も決して悪くは無かったです。ゆったりと流れるメロディーに
合わせた優しい歌詞は「しあわせかたり」のタイトルに良く
合っていました。BGMに関しては キミと歩く夕暮れ と
天使の涙 が印象に残っています。特に後者は心を締め付けて
来る悲しさの中に僅かに感じられる優しさとの調和が、流れた
シーンと組み合わさってとても印象に残っています。正直な所
評価をもう一段上げようかとも最後まで迷ったんですが、演出
部分の評価も合わさっていて、そちらの部分はグラフィックで
かなり評価を上げたんで、音楽はこの評価にしています。

キャラクター

一番好きなヒロインは 消去法で ヘキルになるという悲しい
表現をしないといけないですね。まず、杏璃や杏鈴は妹感が
強すぎてキャラクターとして好きではあるものの主人公の
恋人としてはそこまででもないんですよね。泉も嫌いでは
ないんですが、彼女の個別ルートだと泉よりも瑞穂の方が
魅力的に感じてしまい、うーんと言った感じです。つばめは
個別ルートの出来も悪くなく、ヒロインとしても魅力的ですが
個人的にあの関西弁がどうしても受け付けないんです。ああ
当然、点数には影響していませんし、声優さんの問題だと
言うつもりもないですよ。あくまで個人的になんで。それで
後はヒカルかヘキルになる訳です。両ヒロインとも ギャップ
それぞれ魅力的で、ヒカルは恋を自覚した時。ヘキルの方は
自分の気持ちを受け入れた時。それぞれ凄く可愛くなります。
ただ、ヘキルの方はヒカルが大切なあまりに少し問題がある
言動がありまして、そちらの分を引いてヒカルが一番かなぁと
いった感じになりますね。次にサブキャラクターについて
ですが、先に主人公について書きます。シナリオでも少し
書きましたが、彼の言動が各個別ルートでふらふらしたので
あまり良い印象をもっていない人が多そうですが、私は一応
許容範囲ですね。擁護しておくなら泉と杏璃の個別ルート
以外はそこまで酷い言動や描写はなかったはずで、嫌悪感を
持つ事は少ないと思います。最後にサブキャラクター達に
ついてですが書きたい事が多いですね。つばめの双子の兄の
虎吉や杏璃や杏鈴の実の父親である義臣に主人公やつばめに
泉のクラスメイトである瑞穂やその叔父であり主人公の
クラス担任でもある西園寺先生と魅力的なキャラクターが
多いです。特に虎吉や瑞穂は印象に残っています。前者は
双子の妹なんでつばめの個別ルートで活躍するかと思って
いましたが以外と泉の個別ルートでの立ち回りの方が印象的
でしたね。いくらつばめが頼んだと言っても大切な双子の
妹の恋敵のためにああいった行動が取れるのは素直に凄いと
思いますし、それだけ親友たちとの絆を大切に思っていたの
でしょうね。後者は泉の個別ルートで出番が多かったです。
彼女も色々と背負うものや秘めるものもありますがそれらを
表に出さずに主人公達を交流を深めて仲良くなっていきます。
だからこそ泉の個別ルートのラストでのあの一枚絵の笑顔は
彼女本来の笑顔なんでしょうね。さて、いつもならこれで
終わりなんですが、もう一人だけサブキャラクターで紹介
していないキャラクターがいます。それが紫苑です。彼女は
主人公や杏璃に杏鈴の家に仕えるメイドです。しかしただの
メイドではなく家長である義臣の恋人でもあり、主人公や
杏璃に杏鈴達からも本当の母親のように慕われてもいます。
彼女の立ち位置がある意味で ネタバレ だと言っても過言では
なく、彼女の存在は主人公を含めた鷹倉家にとっては重要な
人ですね。もうこれ以上は何を書いても ネタバレ してしまい
そうで難しいのですが、彼女の幸せそうな笑顔をみた時に
このゲームでの「家族」をテーマにした話が本当の意味で
完成したと言えるのでしょうね。

Hシーン

回想シーンに泉と杏璃が 5 回。杏鈴とつばめが 4 回。後は
ヒカルが 2 回半でヘキルが 1 回半と考えてもらっていい
ですが、本番シーンがなかったりかなり短い場合もあります
ので、実質的にはヒカルとヘキルが 2 回で残りのヒロインは
3 回半ぐらいに考えてもらった方がいいです。Hシーンでは
つばめの独壇場と言った感じで、レイプ目や12時間ク〇ニと
黒スト破りに選択肢に「童貞に戻りたい」と他のヒロインと
格の違いを見せつけています。個人的には、杏璃にせっかく
メガネ秘書スタイルを一枚絵で用意したんだから、Hシーン
でもそのスタイルでヤッて欲しかったですね。

最後に一言

個人的に主人公はシスコンではなくて〇〇コンだと思う。
(〇〇の部分はプレイした人なら分かると思います)


 
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