タイトル名   メーカー、ブランド名   総プレイ時間  
時計仕掛けのレイライン
-朝霧に散る花-  
ユニゾンシフト Blossom   5 〜10 時間  
                                         
シナリオ     
グラフィック
  
 
音楽
  
 
キャラクター
  
 
総合点数
  
 
個人的評価
  
(25/30)    B+(15/20)    (16/20)    (25/30)    A(81)      

初めに(前書き)

このゲームは 3 作あるシリーズ物の 3 作目になります。そして
このシリーズの最終作でなおかつ、かなり綺麗に話を終わらせた
事もあって全体的な評価がやや 甘め になっている部分もある
かもしれません。その点はご了承ください。それと、この先は
1 作目を前々作。2 作目を前作。3 作目を今作と表記します。
最後に注意点として、この先は前作と前々作の ネタバレ
含まれています。そちらを気にされる方は回れ右でお願いします。

総評

シリーズ物の 3 作目にして完結編の今作ですが、結論から言えば
シリーズ完結に相応しい内容であり、本編を綺麗に終わらせたと
言っていい内容でした。細かい所で気になった点がまったくない
訳ではないので 名作 とまでは言えませんが、その領域に半歩
入っていると言って問題ないレベルです。シナリオの綺麗な伏線
回収もそうですが、キャラクターの部分でもヒロインの憂緒が
かなり魅力的に描写されておりアフターストーリーでは、その
魅力が更に増していました。グラフィックや音楽も十分な出来で
特に音楽はオープニングとエンディングが、かなり良かった所も
評価しています。個人的評価でも A+ が見える位置まで来て
いたんですが、前作で低評価だった一部の個別ルートのフォローが
なかった事や個人的に引っ掛かった事を考慮して最終的には、この
評価にしています。まあ、そうは言ってもここまでプレイしてきた
事を後悔させない出来ではあったと総評の最後に明記しておきます。

あらすじとプレイについて

簡単に書くと 主人公は特殊事案調査分室。通称、トクサの一員と
して学園長達の計画を阻止した。その結果として「夜の世界」は
崩壊し、実は夜の生徒だった烏丸小太郎を含めて「夜の生徒」達は
消え去った。学園長達の計画の裏には 20 年前の事件が関係して
いると分かった主人公と憂緒は協力者達と一緒にその事件の詳細を
調べ始める。その一方で姿を消していた学園長達も「夜の世界」を
復活させるために密かに動き出す。学園にまつわる様々な全ての
謎が明らかになった時。この物語はどんな結末を迎えるのだろうか
(一部公式サイトより抜粋)と言った感じです。
 
総プレイ時間は 5 〜10 時間といった所でしょうか。前作や前々作と
違い本編が完全に一本道なので、本編だけなら 6 時間前後なの
ですが、夢の扉という名のアフターストーリーがあって、これを
全て見ると追加で 1 時間以上はかかると思います。内容としては
前作や前々作であったほぼHシーンだけの物と本編後の憂緒の話。
そして、リトのアナザーストーリーとでも言うべき物があります。
これらは本編クリア後に一部が解放されて、それぞれの話を見て
いくと徐々に解放されていく形です。攻略順についてなんですが
本編は一本道なので攻略順は存在しません。アフターストーリーの
方も特に順番は気にしないでいいですが、あえて言えば憂緒の方を
最後に見た方がいいぐらいです。それと前々作や前作と同じように
途中の選択肢次第で謎解きの評価が変わります。評価次第では
ちょっとしたおまけがあるので、気になった方は各ランクの評価は
見ておいた方がいいです。

シナリオ

前作や前々作と違い、完全に一本道なので共通ルートだけでなく
個別ルートと呼べる物もなく、前作の一本道。つまり主人公と
憂緒との関係を保留にした状態から、前作や前々作からの伏線や
謎を回収しながら本編は進んでいきます。
 
綺麗に終わったな というのが本編終了後の素直な気持ちですね。
一部気になった人物や細かい部分でのツッコミが全くないわけでは
ありませんが、前作、前々作の伏線を綺麗に回収して様々な謎を
明らかにしながら、このシリーズのシナリオを終わらせた事は
純粋に 凄い と思います。特に今作と言うよりもこのシリーズの
ラスボスとでも表現すべき人物はかなり以外でした。衝撃度では
流石に前作の烏丸小太郎ことおまるの正体が発覚したあのシーン
程ではなかったですが。実はおまるについては、少しだけ警戒して
いたんですよ。推理もので退場したと見せかけて実は黒幕でした。
というパターンは割とあるので。真相は ネタバレ になるので言え
ませんが、それさえもキチンと伏線を貼っていたのは流石という
べきですね。このシリーズは 1 作目から右肩上がりにシナリオの
評価があがっていったので、完結編となる今作はかなり期待値が
あがっていたのですが、その期待に答えられたと言えますね。また
今作ではメインヒロインとでも言える憂緒の可愛さが存分に描写
されていました。これは間違いなく今作が一番優れています。前作
でも相当可愛かったですけど、今作は本編の描写もさることながら
アフターストーリーの方は本編以上で、メインヒロインの貫禄を
十分に発揮したと言えるのではないでしょうか?そして憂緒よりも
尺を取ったアフターストーリーが存在しているのがリトです。この
話は厳密にはアナザーストーリーと表現するべき話で、リトという
キャラクターの魅力を描写したシナリオだと考えるなら高評価が
出来ますけど、本編の設定を考えるならいくらアナザーストーリー
でも無理がある描写がいくつかあるんですよね。この辺りをどう
考えるか次第でプレイヤーの評価が変わりそうですね。シナリオの
まとめとしては、私はシナリオの評価を 名作 としていませんが
人によってはその評価でも問題ないレベルではありました。私も
悩んだんですが インパクト という点においては前作に劣る事と
登場人物の一部をシナリオで上手く活用出来なかった点を考慮
してこの評価にしました。ただあくまで 名作 レベルではなかった
だけで 良作 のレベルは超えていたと最後に書いておきます。

グラフィック

前々作と前作の評価よりも一段あげましたが、その理由は差分や
立ち絵での表情の変化と印象的な場面での一枚絵の使い方が主な
理由です。前者は前々作と前作でもありましたが、今作は憂緒の
表情の変化が多かったので、より印象に残っていた事が大きい
ですね。憂緒の表情の変化は見ていて可愛かったですし、主人公が
ちょっかいをかけたくなる気持ちも理解できます。後者については
エンディング前の一枚絵と本編最後の一枚絵が特に印象的ですね。
中央に映る人物が印象的なエンディング前の一枚絵に対して、本編
最後の一枚絵は、このシリーズの終わりに相応しい一枚絵だと
自信を持って言えますね。

音楽

エンディング曲の Places where you are とオープニング曲の
Clockwork Ley-Line -The Last episode- の歌詞が印象的でした。
特にオープニング曲の本編ムービーの方での大ラスの「ただ 会い
たくて〜」から続く歌詞は良いですね。そして、一番最後に映る
おまるの姿が、まるでメインヒロインのような立ち位置で、かなり
笑いましたね。まあ、憂緒のヒロイン力が弱かったら実際の所。
そう呼ばれていても不思議ではないですが(笑)BGMに関しては
Ley-Line が良かったですね。3 作品それぞれのオープニング曲を
メロディーに取り入れた事もあって、シリーズの集大成的な感じに
なっていたと思います。総じて音楽のレベルは高いモノでしたが
やはり前作のエンディング曲への流れがあまりにも完璧すぎたため
そのハードルが超えられたなった事が残念ですね。

キャラクター

今作は本編で個別ルートがないので、本編内でヒロインに該当する
のは憂緒だけですね。その憂緒も十分可愛かったですけど、本編内
だけで好きなキャラクターと言われれば、おまるですね。憂緒とは
結構いい勝負ですね。ああ、あくまでも 好きなキャラクター
してですからね。流石にホモじゃないんで恋愛的な意味ではない
ですよ。前作のエンディング直前のおまると主人公とのやり取りを
見れば多くの人がおまるを好きになるはずですよ。そして今作での
彼については詳しくは言えませんが、更に彼を好きになりました。
彼と憂緒と主人公。この 3 人がいてこそのトクサなのだと。あっ
別に村雲先輩こと静春ちゃんを省いた訳じゃないですよ。だって
静春ちゃんの出番は今作でも十分にありますし、活躍シーンも沢山
ありましたから。特に主人公の妹である久我満琉とのやり取りは
好きです。恋愛的な意味ではないですけど、いい関係性でしたね。
逆に眠子や鍔姫に春霞の出番は少なめでした。設定上、眠子の出番が
少ないのは仕方ないにしても、春霞はともかくヒロインも務めた
鍔姫の活躍の場面が少ないのは残念でしたね。前作から登場した
アーデルハイドやルイも多くはなかったですけど、鍔姫は彼らより
更に少ないですから。むしろ活躍と言っていいかどうかはわかり
ませんが、学園長こと 二人 の方が印象的に行動していましたね。
やっぱり彼女はヒロインよりもこちらの方がキャラクターとして
魅力的ですね。好き嫌いは別として。そして詳しくは書けませんが
今作も新キャラクターが登場します。彼らもそれなりにいい役割を
果たしましたが、尺的な問題もあり魅力を十分に発揮出来なかった
所は残念ですね。そして、このシリーズをある意味で影から支えた
リト。彼女は最初から最後まで一貫したキャラクターでした。だから
こそ魅力的であったとも言えます。実の所。私はリトはおまるの次
ぐらいに好きなキャラクターなので、前作で彼女の正体について
明かされた時はそれなりに衝撃的でした。そして今作では彼女を
中心にした話があります。リトの魅力を存分に描写していた内容
でしたが、最後はやっぱりリトらしいとでも言うべき物でしたね。
ですが、だからこそ良かったです。最後に主人公についてですが
前作でも様々な謎の一部が判明しましたが、今作では謎の全てが
明らかになります。彼も色々と複雑でしたが、そんな事よりも
好きな子にちょっかいをかけたくなるといった子供な所が個人的
には好きですね。まあ、憂緒があんな反応をしてくれるなら、その
気持ちは分からなくはないですけどね。

Hシーン

回想シーンに、眠子、アーデルハイド、二人、が 1 回と憂緒と
睦月の 3 P。鍔姫と春霞のみの絡み。そして憂緒とリトの単独が
2 回収録されています。前々作や前作と違いプレイは色々と特殊
ではありますが、個人的にはそこまでグッとは来なかったです。
むしろ憂緒の方はHシーンよりも、その後の会話の方が印象的で
可愛かったです。それと、人によっては鍔姫と春霞の絡みは拒否
反応を起こす可能性があるので、閲覧時は注意して下さい。ちなみに
シリーズで個人的に一番好きなのは前々作のアフターの方の憂緒の
Hシーンですね。終始甘えた憂緒との絡みは普段とのギャップで
中々良かったです。…本作と関係ないですね。すいません。

最後に一言

3 作品プレイした事を後悔しない内容でした。


 
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